ハワイの伝統・文化
フラ Hula
ハワイ語で「踊り」とか「踊る人」を意味する。
フラはハワイの先住民の故郷であったポリネシアの島々に伝わる踊りが起源とされている。
それがハワイの自然のなかで、独自の進化を遂げてきたもの。

ポリネシアの島々には文字がなかったため、歴史的に重要なことや神事はすべて祈りにこめて伝えられてきた。

やがて祈りの言葉は伝達手段としてより大きな効果を演出するリズムや抑揚をもたせるために、打楽器を用いて拍子をとるようになり、さらに踊りが導入されるようになっていった。
踊りは様式化されていき、人々の暮らしに深く関わり、大衆に浸透し、ハワイの文化として定着するようになっていった。
踊りははじめは若い男性だけのものだったが、やがて女性も踊りに加わるようになっていった。
時代とともに、フラは祈りの儀式に踊られる神聖なものから、セクシャルなものまで、さまざまな種類のものに拡大していった。
そして、フラは宗教的な行為としての踊り、楽器演奏、詠唱に歌唱を加えた総合芸術と位置付けられている。
現在は、フラは大きく2つに分けられている。
カヒコ(古典フラ)
アウアナ(現代フラ)
カヒコは祈りの儀式に打楽器にあわせて力強く踊られる
現在、ハワイで踊られているもの


ハワイの伝統楽器についてはこちら


レイ Lei
頭・首・肩などにかける装飾品として、親愛を表す手段として誕生日やセレモニー、冠婚葬祭などで使われるほか、旅行者の歓迎を意味するためにも利用されている。
ハワイやポリネシアの島々で、神の怒りを鎮め、悪霊を祓う目的でレイが用いられていた。
当初はシダ、海草、貝殻、羽毛、果実、鮫の歯などが用いられていたが、近年は草花、木の実、海草など植物を用いたものが主流となっている。
さらに、各島がレイのシンボル・フラワーを規定するようになっている。
各島のシンボルカラーとフラワーは以下の通り。
オアフ島:イリマ Ilima (イエローオレンジ)
ハワイ島:オヒア・レフア 'Ohi'a Lehua (赤)
マウイ島:ロケラニ Lokelani(ばら) (ディープピンク)
カウアイ島:モキハナ Mokihana(紫)
モロカイ島:ククイ Kukui (ハワイ州の州花でもある)(シルバー・グリーン)
ラナイ島:カウナオア Ka'unaoa (オレンジゴールド)
ニイハウ島:ププ Pupu (白)
カホラヴェ島 :ヒナヒナ Hinahina(グレー)
5月1日はレイ・デイとしてレイ作りコンテストなどが開催されている。



アロハシャツAloha Shirts
「アロハシャツ」の呼称が商標登録されていたために、一般的には「ハワイアンシャツ」と呼ぶこともある。
当初、ハワイアンシャツはリゾートウエアやスポーツウエアでしかなかったが、50年代に入るとフォーマルな服装として認められるようになっていく。
現在は名実ともにハワイ州民のユニフォームともいうべき「顔」となっている。
原型になったのは、1910年代から1920年代にかけ、日系移民が日本から大切に持参してきた和服や浴衣を気候に合わせてシャツタイプにしたことに始まる。

日本から移住してきたいわゆる日系人の多くはサトウキビ畑やパイナップル畑で働いていたとき作業着として使用した、パラカという紺を主体としたチェック柄のジャケットだった。
やがて、ムサシ屋商店 Musashiyaや、エルシー・ダースなどが経営するハワイアン・オリジナルといった小さな仕立屋が、今日のハワイアンシャツの原型ともいうべきシャツを売り出すようになった。
1936年、エラリー・チャンという中国系アメリカ人がアロハシャツを商標登録。
彼は日本製の浴衣地をムサシ屋商店やウォングス・プロダクツに依頼し、これをロイヤル・ハワイアン・ホテルなどで売り出した。
デザインは日本の浴衣柄のものや、ポリネシア調のものが多かった。
この時期に誕生して現在に至る専業メーカーとしては、カメハメハ衣料店や後のカバラという名前に変わったブランフリートなどがある。
現在は カリフォルニアなどで生産されるプリント地による大量生産が主流になっている。
町の土産屋の店頭などにもハワイアンキルトは多く売られているが、良質のものを売っている専門店もある。

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ハワイアンキルトHawaiian Quilt
ハワイ王朝初期の1820年、米本土からハワイに移住してきたイギリス人宣教師の妻たちが、ハワイの女性たちにキルトの手法を伝授したことに始まる。
はじめはアメリカ本土で普及していたパッチワーク・スタイルのものだった。
しかし、「はぎれ」を持ち合わせがなかったため、大きな布地を細かく裁断してからまた縫い合わせて作るのは手間がかかるし、暑苦しく感じられていた。そこで宣教師の妻たちは、大判の一枚布を8つに折りたたんでカットするため、左右対称のモチーフが確立されることになり今日に至っている。
町の土産屋の店頭などにもハワイアンキルトは多く売られているが、良質のものを売っている専門店もある。

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