概要 カッパドキアの西端に近い地域を流れるメレンディズ川(メレンディズ・スユ) Meldendiz Suyu)の上流部分、アクサライAksarayから約45km南東向かったところに位置する渓谷。 メレンディズ川沿いのセリメSelime村からウフララ村までおおよそ16kmの部分だ。 深い谷の南側に切り立つ断崖は約100mの高さがあり、そこに、100以上の岩窟の教会が残されている。 この谷間をセリメSelimeからウフララ村まで歩くのと丸一日かかる。約8時間のコースとなる。 メレンディズ川はセリメSelimeでは、まだ浅い谷で幅広いが、上流のウフララ村へ進むにつれ、切り立った狭い峡谷になっていく。 中間のペリストレマPeristrema村あたりから上流へ向かうと岩窟教会が集中している。 したがって、多くの岩窟教会を見たければ、ウフララ村とペリストレマPeristrema村の間を往復するといい。 川を挟んで対岸の岩窟教会を見ることができる。片道3時間ほどになる。 川沿いには車の通れる道路はなく、川の両側に遊歩道がある。 川の東側はところどころ大きな岩を乗り越えるところがある。 午前中は東側が、午後は西側が日陰になるので、ウフララ村から出発する場合には、往路は東側、復路は西側の道を歩くといい。 ギョレメなどホテルの多くある村からは日帰りツアーがあるが、ペリストレマ村やウフララ村あたりを2〜3時間散策するだけのコースとなっている。 同じような岩窟教会なので、数か所見れば十分という向きにはこれで十分だ。 少し極めたい向きには、ウフララ村とペリストレマPeristrema村間の往復がいい。 ウフララ村での宿泊がおすすめだ。 渓谷へは入域料金が必要となる。\150ほど。渓谷への入り口は、ペリストレマ村やウフララ村、セリメSelime村など4か所ある。遊歩道沿いには岩窟教会の標識がある。 いずれの駐車場からも、渓谷の遊歩道までは長くきつい階段を下りて行かなくてはいけない。 この地方は冬季は凍結・積雪により立ち入ることが不可能になる。 7〜8月は旅行者の数が多く、遊歩道もところどころ混雑することがある。 アクセス アクサライの町の中心にある方のバスターミナル(オトガル)からセリメ経由ウフララ村までのミニバスは何本が運行されている。ただし日曜日は、往復1便しかいない。 ペリスルマへは、アクサライからギュゼルユルト行きのミニバスに乗り、ペリスルマの新興地区で降りしてもらうように運転手に伝えておく。 貴重な時間を有効に使いたい場合には、ギョレメやユルギエップに滞在していれば、ホテルからツアーを利用するか、タクシーで村まで行き、ウフララ村まで行き、帰りにタクシーが見つからなければ、レストランか最寄りの案内所で呼んでもらうといい。 渓谷への入域の開門は8時となっている。 主な見どころ: キリセ Kiliseは教会のこと コカル・キリセKokar Kilise: (ウフララ村付近) 香りの教会といわれる。 キリスト降誕と礫刑のフレスコ壁画が見られる シュムピュルル・キリセSumbulluj Kilise: (ペリスルマとウフララの中間) (ヒヤシンスの教会) 建物のファサード(正面)の美しさと、保存状態のいいフレスコ壁画が見どころ。 ユランル・キリセYllanli Kilise: (ペリスルマとウフララの中間) 罪人への刑罰を描いたフレスコ壁画が多い。 特に、3つの頭を持つ蛇が口に罪人をくわえている画がある古都から、蛇の教会といわれる。 フレスコ壁画の損傷がひどい。 クルク・ダム・アルトウ・キリセKirk Dam AltiKilise: (ペリスルマ付近) 聖ジョージの教会: 入口の上には白馬に乗った聖ジョージが3つの頭の蛇を退治しているフレスコ画があるが、落書きなどで損傷している。 バハッティンズ・サマンルー・キリセ Bahattin's Samanligi Kilise: (ペリスルマ付近) 地元民がここに穀物を貯蔵していたことから穀物倉の教会といわれている。 渓谷の中でも最も保存状態のよいフレスコ壁画がいくつかある。 ディレクリ・キリセ DirokliKilise: (ペリスルマ付近) 十字形をした教会で、6本の柱があることから柱付き教会といわれる。 セリメ修道院 Selime Monastery セリメ村近くにある。広い厨房や馬小屋など隠遁していた修道師たちの生活ぶりがよくわかる。 映画「スター・ウォーズ」の撮影にも使われたというが、どこで映っているかわからない。 ジガ温泉 Ziga Hot Springs セリメ村近くにある。50℃という温度のお湯が流れ出る。重い沈降物が底に溜まっているにで、なかなか入りにくい。 ホテル ウフララ村とセリメ村にペンションが数軒あるだけ。 ペリスルマ村には1軒しかない。 いずれも冬季は閉館。 |