概要

トルコ共和国の首都.
アナトリアの中央部に位置し、広大なアナトリア高原(標高850m)の東端にある。
アンゴラと呼ばれるわずか人口3万人の小さな村だったが、1919年、ケマル・アタチュルクが指揮する独立戦争の際にこの地に本部を置いていた。
そして1923年、共和国誕生と同時にアタテュルクが初代大統領となって、正式にこの地を首都と定めた。

1930年にアンゴラをアンカラと名称変更した。
アンカラをヨーロッパの都市をモデルに都市計画し、もとに急速に開発が進められ、近代的な街が造り上げられてきた。
現在人口は約400万人でイスタンブールに次ぐ2番目に大きな都市で、国の行政機関が集まる政治の中心都市となっている。

アンカラの街は、南北の細長く、ウルス Ulusと呼ばれるオスマン帝国時代以前からの北寄りの旧市街と、19230年の独立以降にトルコ共和国政府によって計画的に建設された南寄りの新市街地区イェニシェヒル Yenicehirに大別される。、
ここには首都機能を司る多くの省庁や大使館集まっている。
トルコの最高学府であるアンカラ大学をはじめ、大学も多いことから多くの学生がいるところでもある。
歴史的には古くから南北東西の交易ルートが交差するところとして栄えたこともあったが、時代とともに、繁栄と滅亡を繰り返してきた。
トルコの多くの都市に著名な遺跡があるのに、このアンカラはそのようなものはなく、
観光資源が限定的である。

イスタンブールと比べると、ここは食べたり、ショッピングやエンタメも華やかさがまったくない。
多くの限られた日数のツアーはここに滞在しないで、列車や空路でほかの都市に移動してしまうが、アナトリア文明博物館とアタチュルク廟だけは必ず立ち寄っている。
この町にある見どころをじっくり見学する向きには少なくとも2日間は最低滞在していないと満たされないだろう。


アクセス
空路
イスタンブールをはじめ、トルコ国内各都市間には定期便が就航している。
イスタンブール以外は、便数は少ない。
日本からの便でもイスタンブールでの国内線乗り継ぎが可能になっている。
ヨーロッパの主要都市との間にも直行便が就航している。
イスタンブールは、アタチュルク空港、サビハ・ギョクチェン空港の双方から発着している。

空港
エセンボーア国際空港 Esenboga International Airport(コード:ESB)
アンカラ市街の北東33kmに位置する。
空港への直行バス:
エアポートバス(ハワシュ Havas)が、30分おきに駅近くのハワシュターミナルまで出ている。
バスはアシュトウ・オトガルや市内の数か所を経由するので下車可能。
タクシーは空港とアンカラの間、約2530ユーロ。

バス
トルコのほとんどの主要都市と直通バスが数便運行されている。
イスタンブールとは数社のバス会社から頻繁(15分30分間隔)に運行されている。バス会社同士の競争も激しく、料金もかなり格差があり、デラックスなシートやサービスのものも少なくない。(所要5〜6時間)
長距離バスターミナル(オトガル):
通称ASTI(アシュティ)の名前で知られる。
発着便数が多いので、ターミナルも巨大だ。
バス会社ごとにゲートが割り当てられている。
市内の繁華街のクズライから西へ4.5km、
地下鉄最寄駅はアンカライ線の最西端にある(イスメット・イノニュ大通りIsmet Inonu Bulvari)。
多くのバス会社が市内の自社のオフィス前から無料のシャトルバスを運行している。
タクシーで市内クズライあたりからは約5ユーロ。

鉄道
イスタンブール・アンカラ間に夜行寝台列車が2本運行されている。
アンカラ エクスプレス(Ankara Ekspresi)
全車寝台車。食堂車もある。
イスタンブール・ハイダルパシャ駅発22:30・アンカラ着08:00(所要約9時間30分)
アンカラ発イスタンブール行きも同じ発着時刻。

アナドル エクスプレス(Anadolu Ekspresi)
寝台車,6人簡易寝台、食堂車、プルマン車など。
イスタンブール・ハイダルパシャ駅(アジア側)発22:00・アンカラ着07:15(所要約9時間15分)
アンカラ発イスタンブール行きも同じ発着時刻。

高速鉄道:
イスタンブール・アンカラ間の新幹線は、2009年3月13日に部分開業(245km)、
アンカラ(Ankara) シンカン(Sincan) ポラトル(Polatli) エスキシェヒール(Eskicehir)間 .12時間間隔で運行されている。週末は減便される。
エスキシェヒール・イスタンブール・ハイダルパシャ駅間が開通すると、イスタンブールからアンカラまで所要3時間10分となる。

鉄道駅
アンカラ・ガル駅 Ankara Gari
ウルス広場から南西1.4km、クズライから北西2.5kmに位置する。


アンカラ市内の交通機関
地下鉄(メトロ Hafif Metro):
2路線ある。610分間隔で運行。
アンカライ線 Ankaray
M1銭


バス
市営(EGO)と民営バス(Halk Otobus)がある。
路線が複雑で、旅行者には不便だ。
チケット
定額制で、地下鉄・バスの共通券。乗り換えるときはその都度別途支払う。
磁気カード
プリペイドシステムで,2,10,20回カードがある。1年間有効。
バス・メトロ間を含め、45分以内の乗り換えは1回と見なされる。

タクシー
すべて黄色のボディーの車が町の至る所を走っている。しかも割安なので、複雑な路線バスなどよりはるかに効率的だ。
夜間は5割増しになる。


アンカラ市内の見どころ
アンカラ考古学博物館 Anadolu Medeniyetleri Muzesi:

アンカラ最大の観光ポイント。
トルコ国内各地の遺跡46ヵ所の発掘調査で発見された数々の価値ある遺物が収集されている。
ここは15世紀に屋内マーケットBedestenとして利用されていた建物を改装したもの。
旧石器時代からアッシリア、ヒッタイト、フィリギア、ウラルトゥなど時代や文明別に出土品が展示されている。
月曜が休みだが、入場料の追加で入場できる。
写真が、ストロボを使用しない限り撮影可能だ。

アタテュルク廟 Anit Kabir
:
市内観光ツアーには必ず含まれるスポット。
独立戦争で指揮を執り、共和国を誕生させ、初代大統領となったケマル・アタテュルクの廟。
1938年の死と同時に、市街南東の丘の上に巨大な廟の建設が開始され、1953年9月1日に完成した。
高い階段で上がる霊廟の中には中央に黒大理石の石棺がある。優しく注意してくれる
霊廟前の広い中庭は、列柱に囲まれている廊下になっていて、アタテュルクの記念品や個人的な持ち物やアタテュルクが所有していた自動車や、霊廟の模型と、霊廟の建築写真などが展示されている。
霊廟前では定期的に衛兵交代が行われる。

アンカラ城砦 Ankara Citadel:
978mの岩肌の丘の上にある
ローマ皇帝ヘラクレイオスが建てた要塞を、その後、ビザンチン帝国とセルジュク朝によって修復や増築が行われている。
城砦の内側はオスマン朝時代の居住地域で、古い狭い路地に古い家並みが残る。

ローマ浴場跡 Roma Hamami Harabeleri:
ウルス地区のチャンクル通り、メトロ・ウルスulus駅から歩いて15分。
3世紀カラカラ帝の時代に作られたもので、80X130mの大きさがあった。
現在は基礎部分と1階部分のみが残っている。月曜休

アウグストゥス神殿跡 Augustus Tapinagi:
紀元前2世紀頃建造された神殿。
ローマ時代に改築、皇帝アウグストゥスに捧げられた。
当時は15本の柱が8列並び、壁にはラテン語とギリシャ語でアウグストスの偉業の数々が刻まれていた。
その後ビザンチン時代には教会に改装され、15世紀のセルジュク時代にはモスクが隣接して建てられていた。
アンカラに残る重要なローマ遺跡のひとつ。
現在は2つの壁とドアが残っているだけ。

ジュリアヌスの円柱 Julianus Sutunu:
362年にジュリアヌス皇帝がこの地を訪れた時に建造させた15mの円柱。

ローマ劇場 Roma Tiyatrosu:
2世紀に建設されたローマ劇場は、1982年に偶然に発掘された。
舞台部分が発見され、発掘された彫刻などの遺跡は現在アナトリア考古学博物館に展示されている。現在も発掘中。

独立戦争博物館 Kurtlus Savasi Muzesi:
1915年に建築された建物で、トルコ共和国の最初の国会であったところ。
独立戦争の際、作戦会議が行われ指揮がとられた場所であり、当時を記録した様々な写真や記念品が展示されている。
トルコの歴代の大統領の彫像も陳列されている。月曜休館

共和国博物館 Cumhuriyet Muzesi:
独立戦争博物館の近くにあり、共和国第2の国会が置かれた場所にある。
共和国樹立初期の重要な出来事を記録した写真や資料が展示されている。月曜休館。
ウルス広場から丘を下ったところにある。

勝利のモニュメント:
1927年にスヒエ地区のザフェル広場に建立されたもの。軍服を着たアタテュルク像が立つ。
アタテュルク大統領邸宅博物館 Ataturk Muzesi Kosku :
大統領官邸の敷地内にあり、アタテュルクが共和国樹立後に移り住んだ建物。
アタテュルクが生活していた時代のままの状態で保たれ、当時の様々なイベントを記録した写真が展示されている。
入場無料だが、パスポートが必要。
カメラを入口で預ける。ガイドが展示館の中を案内する。

アタクレ Atakule:
アンカラを一望できる細長いタワー。
ガラス張りのエレベーターで最上階に上がると、展望台と回転レストランがある。

鉄道博物館 Acik Hava Buharll Lokomotif Muzesi:
歴代のさまざまなタイプの蒸気機関車を集められている。
アンカラ駅の南西に広がる広大な敷地に展示している。歩いて3分
無休無料

カマン・カレホユック考古学博物館 Kaman Kalehoyuk Arkeoloji Muzesi:
日本の中近東文化センターによって1986年以来発掘調査が続けられているカマン・カレホユック遺跡からの出土品や遺跡の模型などを展示している。
博物館は、日本の無償資金協力によって遺跡近くに2010年7月にオープンしたもの。
日本語の解説文もある。
博物館の横に三笠宮殿下記念公園という日本風庭園もある。

民俗学博物館 Etnografya Muzesi:
セルジュク時代やオスマントルコ帝国時代を中心にトルコ各地で作られた地方色豊かな絨毯や現代までのトルコの伝統的生活の中の民族衣装や陶器や楽器、武具、木製品、民芸品などが展示されている。
ここは、アタテュルク大統領のオフィスになっていた建物で、白い大理石のポスト・オスマン様式(1925年)で造られ、馬に乗った大きな男性の彫像がその前に立つ。
中の大理石の板に「ここは1938年11月10日に永遠の眠りについたアタテュルクが、1938年11月21日から1953年11月10日まで安置された場所である」と記されている。
この後アタテュルクの遺体はアタテュルク廟へと移された。
月曜休み

ゲンチリック公園 Genclik Parki:

ハジュ・バイラム・ジャーミイ:

コジャテペ・ジャーミイ Kocatepe Camii:
アスランハーネ・ジャーミイ:
アーヒ・エルヴァン・ジャーミイ:
アラーッディン・ジャーミイ
イェニ(ジェナブ・アフメット) ジャーミイ



アンカラ近郊の見どころ
ギョルバシュ湖 :
アンカラから南25km。

インジェク:
アンカラの15km南西にある人気の行楽地。

カラギョル湖:

エルマダー山 (標高1,855m):

アンカラから23kmに位置し、スキーやウィンタースポーツのリゾート地。

ゴルデイオンの遺跡 Gordion
アンカラの西南約100kmのヤッシュホユックYasslhoyuk村に残るフリギア王国の跡。
現在は、フリギア門といわれる城門やゼウス神殿などの一部が残るのみ。
遺跡の2km離れたところにはミタス王の墓の古墳とゴルデイオン博物館がある。
古墳から発掘された遺物の中でも価値の高いものは、アナトリア文明博物館に展示されている。
ゴルデイオンヘはまずポラットルPolatlioという町までバス。
アンカラから30分間隔。所要1時間30分。
底からタクシーか乗合タクシー(ドルムシュ)で往復する。