概要
キナバル山は東南アジア最高峰の山,全行程17kmの登山コース
?まずジャングル地帯から始まり、熱帯雨林を抜け、花崗岩の一枚岩を抜けると最高峰ロウズ・ピークが目の前に見えてくる。
?コース自体はよく整備され比較的登りやすいが、富士山よりも高い4000mの山なので最低限の体力は必要となる。
?キナバル公園から山小屋までは通常6時間ほど。 山小屋から頂上へは約3時間半。
?キナバル公園の訪問者(年間約20万人)の内、、実際に登頂する人は約10%ほど。
?宿泊施設の数によって入山者の上限が決められており、これが環境保護にもつながっている。


登山ルート
2つのルートがある。

?メインルート
キナバル公園本部からバスまたは徒歩でTimpohon登山ゲート(1890m)に移動しそこから登山開始するルート。
ラバンラタ・レストハウスまでが、約6km

?メシラウルート
メシラウリゾートにある登山口(2000m)から開始するルート。
中腹でメインルートと合流する。
ラバンラタ・レストハウスまで約8km
アップダウンが多い健脚向きコースであり、川を渡ったり、開けた展望のよい稜線部分を歩いたりも出来る。
しかし、路線バスがないので予めミニバンなどを手配しておかないといけない。

中腹までは樹林帯、中腹から上は岩帯で、岩をロープを伝って登る場所が数箇所ある。
行きと帰りで違うルートを通ることも出来ます。
登りにマシラウ・ルートを使い、下りにメイン・ルートを使う方がいい。逆にすると、帰り道に登りがかなり多くなる。
なお、ツアーではあらかじめ手配しておかないとマシラウルート登山は受けてくれない場合がある。
メイン・ルートでは、おおよそ1時間ごとに休憩所があり、給水タンクが設置してある。~ラバンラタ・レストハウスでは、飲料水も備えられているので自由に補給できるし、ペットボトルの水も買える。
メシラウルートには休憩所がない。
なお山小屋には医療施設はない。



スケジュール
?最低でも登りで1泊する2日間の日程。できれば2泊以上してゆっくり登山を楽しみたい。
?コタキナバルを早朝7時のバスでも登山基地の公園本部に到着は9時になる。
?登山許可の申請手続きや諸費用支払いを済ませて登山口までの4kmをバスによる移動などで登山開始は10:00頃になる。
?遅くとも11時にはのぼり始めないと暗くなる20時前に3200mレベルのラバンラタ周辺の山小屋まで辿り着けない。山小屋の食堂が閉まる20時過ぎで、同行のガイドも11時以降は同行を拒否する。体力不足、体調不良の登山者では、山小屋に20時までに到着できないからだ。

?第1日目には公園本部周辺のロッジなどに1泊。周囲のハイキングコースで過ごす。

?第2日目、7:00〜7:30頃出発する。6〜7時間ほどかけて登り、山小屋には通常14:00〜15:00に到着する。その後充分な休息が取る。

?第3日目、深夜2:00頃起床し、ご来光に間に合うように3:00頃出発。約3〜4時間かけて頂上ローズピークを目指す。
頂上で1時間ほど休み、下山は7:00頃から。
下りは通常2時間程度9;00頃に山小屋に戻ってくる。

チェックアウトは10:30だから、それまで休憩を取り、下山開始。所要約4−5時間。
公園本部に戻るのが15:00頃。登頂証明書を発行(RM10)してもらうことができる。
登頂証明書はティンポホン(メイン)ルートとマシラウ・ルートではデザインが異なる。~バス通りまで出てサンダカン発の路線バスをひろうか、公園本部前に待機しているタクシーまたはミニバンをチャーターしてコタキナバルへ。18:00頃になる。



山岳植物園=公園本部付近にはホステルやレストランがあり,山岳植物園が隣接している。キナパル山周辺のユニークな植物が集められており,食虫植物のピッチャープラント(ウツボカズラ)や各種のランなどを手軽に観察できる。時間がない旅行者が効率的に自然観察するのに適している。入場無料。



登山・ハイキングの規則
?登山はマウンテンガイドを付けることが義務付けられている。
?ガイドはよく訓練されていてコースや自然を熟知している。
公園本部で登山受付をした際に担当するガイドを引きあわされる。地元の公園本部周辺の集落の人で、英語がカタコト程度しか話せないことが多い。ガイド料金は決められており、1〜3名パーティ−の場合、2日間でガイド1名あたりRM70。

?ガイド数が足りず他パーティーとの混成になったり、逆にガイド料金を安くするため、登山者同士で混成部隊をにわかに作る場合もある。このあたりは当日現場の事情によるところも大きい。

?ガイド料金の他にかかる諸費用としては
?Park Entrance Fee(公園入場料) RM15
?Climbing Permit (登山許可)RM100
?Camera Fee (写真撮影)RM10
?Insurance(山岳保険) RM3.5   など。

必要に応じてポーターも手配することもできるが、登山中不要な荷物は公園本部に預けることもできる(預かり賃RM10)ので、ポーターを雇う人は少ない。
登りと下りのルートが違う場合、降り口のゲートの方に荷物を運んでもらうことも出来る。
ポーターを雇う場合、登山ゲートから中腹山小屋までの往復でRM66、荷物は10 Kgまで。


公園本部での手続き †
?登山許可の申請手続きや諸費用支払いを済ませると、名前と登山日、グループ認識番号の入ったIDカードが個々に発行される。これを。このIDカードは山にいる間、必ず首に懸けていなければならない。

?ツアー
旅行会社にスタッフがすべて仕切ってくれるので待っていればいい。
?昼食の弁当もここで渡されてる。登山口のティムポホン・ゲート(Timpohon Gate)は、さらに4q先にありバスで行く。


気候
?月間の気温差は極めて小さく、年間を通じて登山可能。
?山小屋で摂氏10〜5度近くまで、夜間や山頂は0度近くまで下がることもある。
?通常は雪が降ることはない。
?2月〜5月までは雨が少なく比較的天候安定しやすい時期。
?7月から9月までは熱帯低気圧の影響を受けしばしば強風となることがある。
?10月・11月は雨の多い時期。
?12月・1月は中間的な気候。
?最近の世界的異常気象のため、上記のとおりにならない場合も予想されるので、出発前に現地の気候の情報収集しておく必要がある。
?強風や濃霧・異常低温など天候状態が著しく悪い場合に、サバ州局より山小屋から上部の登頂ルートが登山禁止される場合がある。


服装・持ち物
?山頂近くは岩の上を歩くので、スニーカーでは足を痛める。トレッキングシューズなど靴底がしっかりしたものがお薦め。
?山小屋には毛布があるが暖房設備がないためところもある。サマーシュラフやシュラフカバー程度の持参をした方がいい。
?早朝の登頂にはフリース、厚手の靴下、マフラー、毛糸の帽子、ホッカイロもあるといい。


出発前の準備
?山小屋の予約
山小屋は完全な事前予約制で、その予約がなければ入山が許されない。
年々登山者が増えてきていて、慢性的に混んでいてベッド数が明らかに足りない状況にある。
早めに予約をしておかなくてはならない。
往復の日程も余裕を持って組んでおかないと登頂できないことにもなる。
予約は手慣れた専門の旅行業者に手配を依頼することを勧める。
現地での手続きの煩わしさがなくて安心できる。
国内のパッケージツアでは、現地の規定の登山ガイドのみ同行する場合と、旅行会社のガイド・添乗員が別途同行する場合とがある。

?専門旅行業者サイト
http://www.nctravel.co.jp/Kinabalu/ 
個人で手配をする場合にはまず山小屋の予約、更に現地で登山口までの交通や、入山手続きな、ポーター・ガイドの手配すべて自分ですることになります。
山小屋、公園本部、ポーリン温泉、マシラウリゾートの宿泊予約はすべてステラサンクチュアリロッジSutetra Sanctuary Lodgesが管理している。
ただし、満室の時などは返事をくれない場合がある。
予約開始は原則として6ケ月からで、予約開始日にほぼ満室となる。

?山小屋予約サイト
?Suetra Sanctuary Lodges
http://www.suterasanctuarylodges.com.my/
旅行業者に山小屋手配だけを依頼しても必ずしも確保できるとは限らない。
現地のパッケージツアーに申し込むと確率は高い。
マレーシアでは学校の休みが6月、12月なのでこの時期は予約が混雑し取れにくくなる。

?その他の予約機関;
キナパル公園の宿泊施設やガイド,ポーター,ポーリン温泉の宿泊施設に関する予約・問い合わせは,すべてコタ・キナパルにあるサバ・パークス(サ′サト1公園管理局)で受け付けている。宿泊予約は1年前から受け付け。
ガイド,ポーターは最低1週間前には予約のこと。

?THE DIRECTOR SABAH PARKS
First Ftoor,Lot1-3,Block K
P.0.Box 100626 88806 Kota Kinabalu Sabah,
TEL:088-211881
Fax:088-221001(問い合わせ)
  088−211585(予約)


山小屋について
?標高3250〜3230m付近に複数の山小屋があり、予約時にどの山小屋に宿泊するか決まる。
?宿泊料金は1泊1人RM50。
?ヒーターのあるのはラバンラタレストハウスLabanRataResthouse?だけ。
?ラバンラタレストハウス以外の小屋に宿泊を割り当てられたら薄手の寝袋またはシュラフカバー程度の防寒具持参した方がいい。
?レストランはラバンラタレストハウスだけ。山小屋宿泊の人でも食事を注文できる。
?朝食や夕食がバイキングで食べられる。それ以外にも、スープ、チャーハン、ヌードルなどがある。ビール、飲料水もある。
?閉まる20時過ぎ、午前2:00から営業している。

?ラバンラタレストハウスLaban Rata Resthouse 標高3272.7m  定員52名
4〜8名の相部屋(簡易2段ベッド)
各部屋ヒーター完備
レストラン売店;ミネラルウォーター・ビスケット類がある
シャワー;共同・あまり熱くない 
トイレ;共同、

?Buttercup(特別室)定員6名の相部屋
専用シャワー・トイレ付きの部屋。

?ワラス小屋Waras Hut 標高3243.7m 定員8名
相部屋(簡易2段ベッド) 
シャワー;共同あまり熱くない 
トイレ;共同
湯沸かしあり
グンティンラガダン小屋Guntin Ragadan Hut 標高3323.5m 定員60名
4〜8名の相部屋(簡易2段ベッド) 
シャワー;共同あまり熱くない
トイレ;共同

?パナールラバン小屋Panar Laban Hut 標高3314.3m 定員8名
相部屋(簡易2段ベッド) 
シャワー;共同あまり熱くない
トイレ;共同
湯沸かしあり


山麓の宿泊施設(公園本部付近)
キナパル国立公園の公園本部付近には2軒のホステルをはじめシャレーやロッジなど自炊設備付きの8タイプの宿泊施設がある。
Old Fellowship Hostel 46ベッド
New Fellowship Hostel 52ベッド
Twin Bed Cabin 2人部屋×10
Basement Room 4人部屋×4
Annex Suite 4人部屋×4
Duplex Cabin 6人部屋×4
Single Storey Cabin 5人用
Double Storey Cabin 7人用
Nepenthes Villa 4人部屋×8
Kinabalu Lodge 8人用
宿泊料金は1泊1人当たりRMlO〜30程度。