概要
情報技術産業の中心地.
デカン高原中部にあるインドの大都市のひとつで、アーンドラ・プラデーシュ州の州都。かつてのハイデラバード藩王国の首都である。
フセイン・サーガル(湖)をはさんでセカンダラバード(インド陸軍、空軍の一大駐屯地)と隣り合わせるように位置する。

ハイデラバードはムシ川によって大まかに、オールドシティーと呼ばれる南部と比較的モダンな北部に分ける事ができる。
南部は総じてムスリムの住民が多く、定時にはコーランも聞こえてくるムスリム文化が色濃く残る地域。チャール・ミナールやマッカ・マスジドなどといった歴史的建造物も多いドラヴィダ文化色の濃い南インドにありながらイスラムの支配下にあったためイスラム教徒が多く、特徴ある宮殿や邸宅が続く街並みはさながらアラビアンナイトのような雰囲気がある。

街の顔である、四つの尖塔を持つチャール・ミーナールは16世紀に造られたもの。周辺にはイスラムの色濃いお店や17世紀のモスク(「メッカ・マスジッド」)があり、大きな通りが交差して街の中心になっている。

北部は新しい街で、特にフセイン・サーガル北東岸の開発はめざましい。
市の西方には岩山に建つ巨大な城、城壁に囲まれたゴールコンダ・フォートがある。

ハイデラバード市内には、歴史を誇るオスマーニヤー大学(OU)が、郊外にはハイデラバード大学(UoH)、Acharya N G Ranga 農科大学(ANGRAU)、インド商科大学があり、非常に高い水準の教育機関として機能している。

近年は、ITビジネスが牽引する経済発展が著しく、大きく変わりつつある。
これに伴って、インド国外からの文化流入も多見されるようになってきた。
市内にはモダンなショッピング・コンプレックス、外国資本のスーパーマーケットやファストフード、中華料理レストランなども見られるようになってきた。Qkbt


アクセス
空港
2008年3月に従来の<フセイン・サーガル湖北部のベーガムペート 空港から移転。
ハイデラバード国際空港 Hyderabad International Airport 空港コード: HYD。
通称:ラジーヴ・ガンディー国際空港 Rajiv Gandhi International Airport
市内へのアクセス
バス;
ハイデラバード(ナンパリー)駅前、セカンダラバード駅などへの路線がある。

鉄道
ムンバイーから735km、チェンナイから680km、コルカタから1588km、そしてデリーから1679kmの位置にある。
州外主要都市への鉄道乗り継ぎは、隣接する双子都市セカンダラバード駅からの方が便利だ。

バス
市内のフセイン・サーガル湖北部に位置するジュブリー・バスステーションは、インド各都市への長距離バスの発着点で、ここから大抵の都市に旅することができる。
市内の移動には、市バス、オートリクシャーが市民の主要な移動手段として利用されている。

道路
比較的整備された2つの国道(7号線、9号線)が、この都市を貫いている。
国道7号線を通じて南の大都市バンガロールそして北のマハーラーシュトラ州へ、国道9号線を通じてプネー、さらに北西の大都市ムンバイーへ、旅客、物資の移動が活発である。


見どころ
ゴルコンダ要塞
巨大な花崗岩の3重壁で取り囲まれている。高さは122mの孤立した花崗岩の丘の上に、今も壮麗にそびえ建っている。
要塞外郭は丘に沿うように、そして要塞を囲む外壁は、いびつな菱形状に設計されている。
頑丈な銃眼を持つ外壁の厚さは5-10mでは、外周囲7km近くにも及び、さらに周囲に深い堀を持ち、高さが15-18mもある87の半円形稜堡(ブルジ)、8つの巨大な門を有する。~陶器製パイプを利用した給水システムが、要塞内に存在したことが明らかになっている。
このシステムにより飲料水は勿論のこと、いくつかの噴水も要塞内に作られていた。
正面玄関のアーチの下で手を打つと、アーチの反響効果により30-40m以上離れたバーラー・ヒサールや、別の地点へその音が明瞭に伝わるのである。この通信システムは現在も機能するため、正面玄関は観光客が立ち止まり、手を打つ格好の場所となっている。


チャール・ミナール
1591年にムハンマド・クリー・クトゥブ・シャーによって建設された。基盤の一辺は20m、4つのアーチは幅11m、高さ20mである。
4階建ての光塔は、四面アーチ構造建造物の屋上から20mの高さにまでそびえている。
4つ(チャール)の光塔(ミナール)があるところから、チャール・ミナールと名づけられた。
チャール・ミナールのすぐ南東には、壮麗な外観を持つニザーミヤー・ユーナーニー病院がある。
西へ凡そ50mほど行くとラール・バーザール(Laad Bazar)、さらに進むとニザーム藩王国のズィラーウ・カーナー(閲兵場)入り口がある。
現在、閲兵場は巨大な商業地域へと様変わりしている。

メッカ・マスジド
ハイデラバード最大のモスクであり、一度に1000人もの信者を収容できる。
チャール・ミナールの南西91mにある。

サーラール・ジャング博物館
骨董品収集家だったサーラール・ジャング三世(ニザーム藩王国宰相)にちなんで名づけられた。
43,000点の美術品、50,000点の書籍という膨大なものである。
館内撮影は禁止。金曜日、祝日が休館日。