諸葛八卦村 Zhugebaguacun
概要
諸葛孔明の子孫たちがまとまって居住している古い村落
中国浙江省蘭渓県内の山に囲まれた閑静でユニークな村
鐘池と呼ばれる池を中心に8角形の八卦図の形に村が構成されている。
そこから8本の道路が村を取り囲む8カ所の丘に向かって放射状に延びている。
池の周りには700年以上の歴史のある古い建築群が幾多の戦乱をもくぐり抜けて現在まで完全な形で残されている。
諸葛八卦村の地に、諸葛一族が住み始めたのは、27代宗主の諸葛大獅の時代で西暦1340年前後と言われている。
諸葛大獅は建築の専門知識を活かし、長く子孫が繁栄していくような村づくりが行われた。
丘に囲まれた盆地のようなこの地形特有の隠蔽性のある立地が、一族の生活を戦乱から守ってきた。
日本軍が侵攻してきた時も、村の近くの街道を日本軍が通ったが、この村には気づかなかったという。
そこに約5000人が住み、その8割が諸葛姓を名乗っている。
全国に約16,000人いるといわれる子孫のうち、 諸葛八卦村だけでその4分の1の4000人余りが住んでいる。
現在は46代以降が存命中で55代目まで続いている。
現在、国務院の国家重点文化財に指定され、国の「AAAA級観光地」にも指定されている。
アクセス
上海から車で4時間、杭州からは2時間半。
上海からの日帰りは公共交通機関では無理だ。杭州または蘭渓に滞在して日帰りが最適だ。
運行本数の少ない鉄道よりバスが便利だ。
いずれも、蘭渓で乗り換えとなる。
バス
杭州南バスターミナル発蘭渓行き。約2時間半
日帰りする場合は8:00発がおすすめ。
蘭渓バスターミナルで諸葛八卦村行きに乗り換え。
マイクロバスになる。フロントに大きく行き先が表示されている。
蘭渓から諸葛八卦村まで約30分、
下車して諸葛八卦村まで徒歩10分あまり。
途中お土産の呼び込みなどがあってにぎやかだ。
鉄道
杭州を早朝7時台の蘭渓行きで出発しないと日帰りはきつい。
蘭渓駅と蘭渓バスターミナルが離れているので時間がかかる。
村の地形
村は鐘池を中心に軸に、陰陽魚太極図の形をしている
おおざっぱにいえば、道路が車の輪のようになっているところへ中心の池を軸にして8本の道路が放射状に広がっている。この輪のようなところが「内八卦」と呼ばれるところで、その外側を8つの丘が囲んでいる。この丘が「外八卦」というもの。
バスは子の「外八卦」部分に停車し、内八卦まで徒歩で行く。
鐘池から放射線状に伸びた8本の小道は、迷路のように複雑に行きどまりになっていたりしている。
こういう構造によって、外敵が侵入してきても、鐘池で取り囲むことができるし、鐘池から逃がれても、行き止まりの道に追い込むことができるように防衛性の高い設計となって観光客にも極めてわかりにくい構造となっているので、専門のガイドに案内してもらわないといつまでたっても出られないなどをいうことになる。
観光ツアーなどではこの村だけの専門ガイドが同行して案内することとなっている。
見どころ
諸葛八卦村には、明・清の時代の建物が、完璧な姿で200棟以上も残っている。
鐘池
村の中心にある池で、風水をとり入れてつくられた、8角形の陰陽対極図の形になっている。
大公堂
元代に建てられた江南地方唯一の諸葛亮記念堂。
諸葛亮の位牌と像を奉っている。
堂の奥には子・諸葛瞻が立派に育つように願って書いた諸葛亮掛け軸「誡子書」が掲げられている。
建物の面積は700k㎡、堂の前には鐘池がある。
清門の左右の白壁には、「武」「忠」の文字が大書きされている。
諸葛一族の系譜は、大公堂内部に貼られた系譜で知ることができる。
丞相祠堂
諸葛一族の祖先を祀っているところ。
明の万歴年間に建てられた。
中庭には諸葛亮が愛用していた四輪車が置かれ、回廊には諸葛亮一族14人の祖先の塑像が並ぶ。
奥の階段を上ると諸葛亮が祀られている。
古民居
大公堂のすぐ左側には、民居と呼ばれるところがある。
安徽省あたりに多い徽式建築様式の建物の内部を見ることができる。
徽式建物の特徴は、白壁と灰色の瓦、小さい窓などである。
現在そこに諸葛亮の第48代目の諸葛高嵩(80)が住んでいる。
「書」を生業としている。気さくな人柄で観光客とも親しく話をしてくれる。
福の字が大きく書かれている古民居の中で、黙々と自筆の書や扇子などを販売している。
自筆以外にも、「出師表」や「誡子書」など諸葛孔明の有名な作品も、諸葛高嵩氏が書き写し、末尾に「諸葛高嵩書」と記した上で販売されている。
雍睦堂
諸葛亮第32代の良公によって明の正徳年間に建てられ、既に約500年の歴史を誇る。 今は蝋人形館として、諸葛村の進士文化を展示している。
天一堂
諸葛一族は、その教え通り、名医や薬屋を数多く輩出している。
天一堂は中国の薬屋の代名詞みたいなもの。諸葛八卦村は、天一堂発祥の地があり、その記念館もある。
天一堂は清同治年間に建てられ、創始者が諸葛亮の47代後裔諸葛栄斎であり、現在まで160年余の歴史もある。
天一堂の裏山に上がると、沢山の薬草が植えられている。
明代に建てられた諸葛村を代表する建築物の一つ。
今は諸葛村の薬業史展覧館になつている。
漢方薬の原料となる植物や動物が展示されている。
三顧堂
2階建ての建物で、2階には村の建築設計図等が展示されている。
諸葛亮像
国道330号線から諸葛八卦村に入る道路沿いにある超巨大諸葛亮像。
村の新しいシンボルとなっている。