武夷山 (ぶいざん/Wu Yi Shan / ウーイーシャン)

概要

中国の世界遺産の中で自然遺産と文化遺産の両方が評価されて複合遺産になっているものは4つある。
安徽省:黄山
四川省:峨眉山と楽山大仏
山東省:泰山
福建省:武夷山

武夷山は南北12km、東西5kmに広がる武夷山には、「3・3」「6・6」「72」「99」の名勝があるといわれる。

山は環(めぐる)66(6x6)峰(36の奇峰)、渓は曲(まがる)33(3x3)水(山の間を99折に流れる九曲渓)、72の洞穴、99の奇岩を指す。

流れる川は九曲渓という川で三保山に源を発している。~

ここは烏龍茶で知られる。烏龍岩茶は烏龍茶のなかでも特に高級品であるが、その中でも清代に大紅袍と名付けられた茶の木があり、現在、当時のものが4本だけ残っている。

武夷山の風景区は、特徴のある7つの区域に分けられている。

九曲渓景区:竹の筏での川下りで知られる。

天游峰景区:雲海と絶景が楽しめる。

水簾洞景区:天下の奇観とたたえられる。

一線天景区:城郭のような巨岩が迫力。

天心景区:空中楼閣「天車架」が建っている。

武夷宮景区:大王峰がそびえる文化圏。

桃源郷景区:竹と桃が群生する。


データ

管轄区域;
南平市 (なんぺい/NanPing / ナンピン)

面積
2802k㎡

人口
22万人


アクセス

空路

日本からの直行便はない
福州から10便、ほかに北京、上海,広州便が多い。

空港

武夷山空港 リムジンはなく、ワンボックスタクシー約20分、20~30元が相場

鉄道

福州から5時間

バス

福州から7時間、厦門から10時間。


景区へのアクセス

市内から各景区の中心地へへミニバスが運行されている。
筏下りの出発地、星村へは西門と南門ターミナルからミニバスが運行されている。


筏下り

筏は孟宗竹で組み、その上に竹で作った椅子が六つ固定されているもの。
筏下りは全長62.8キロの九曲渓という川の9.5キロ。九曲から始まり一曲で終わる。
早い流れ有り、深い淵有り。遠くかすむ山有り、近く迫る岩有り。
仙郷と言われる幻想的な景色をたっぷりと楽しめる1時間45分である。 


九曲渓景区

総面積8.5k㎡ 九曲渓下り(星村~武夷宮 全長9.5㎞)所要時間約2時間
九曲渓は、武夷山自然保護区に源として、筏の出発地「星村」を経て西から東へ大きく9ケ所曲がりくねって、崇陽渓に合流する全長60kmの川。
ここを幅2m、長さ9mの竹の筏に椅子をくくりつけて見物する透き通った水の川下りが武夷山観光のハイライト。両岸は高い唆険な山が迫っている。
出発地点の上流から逆に番号が付けられている。

第9曲
乗船場の星村までは平原が広がり、はじめの第9曲はまだその険しい岩山の迫力はない。
見どころ:
嶂岩:

白雲岩:

第8曲
浅瀬になり、流れが速くなる。
両岸には奇岩怪石が林立している。
見どころ:

上水獅石:
動物の形に似た岩。 双乳峰:
最高峰。太鼓形の岩があり、仙人が太鼓を叩いたと伝えられるため、鼓子峰の別称をもつ。

第7曲
このあたりから渓谷に入り、筏は峰々の間を縫いながら、急な流れのなかを進んでいく。
桃花澗に沿って桃の樹が立ち並び、春は一面がピンク色に染まる。
川獺(かわうそ)が魚を獲るという猟控石も見られる。

第6曲
天瀞峰がそびえ、長年の流れる雨水が、白い絹布ように見えるところからその名がついた晒布岩や響声岩などが見られる。

第5曲

接筍峰:
筍の形をしている。

隠屏峰:
筏からは雲の上に突き出た頂しか見えない。

武夷精舎:

雲窩:

茶洞:

第4曲
巨岩のような大蔵峰がそびえる。
巨大な岩が林立し崖下は昼間でも風が冷たく薄暗い。、崖には洞穴、竹林、滝がある。
見どころ

仙釣台

御茶園

試剣石

題詩岩

第3曲
渓流が山に沿って大きく曲がり、峰の向く方向がかわる。
見どころ

船棺

川に接して直立する小蔵峰東壁の断崖の割れ目に、楠を船形にくり抜いた棺がいくつも安置されている。3000年以上も昔、この地に暮らしていた古越人が、死者を洪水や獣、外部の侵入者から守るために置いたと考えられる。
全長約5m、高さ78cm、幅58cm)。世界最古の懸棺といわれる。どのように重く大きな棺を地上数十mの狭い穴に運び入れたのか。いまなお謎とされる。

会仙岩

昇日峰

第2曲 
見どころ

玉女峰:
大王峰と川をはさんで対峠している。
しなやかに立つ美少女のようで、武夷山のシンボルともなっている。

鉄板峠:
2つの峰の間にが横たわる。

浴香潭:
仙女が沐浴した天上の玉女が化粧したとされる鏡台。

第1曲
吃立する大王峰と怪石がそびえる獅子峰が、川を隔てて向かい合う。
見どころ:

獅子峰:
大きく口を開いたライオンのような峰。

水光石:
石刻がたくさんあり、なかでも倭寇と戦った明代の戚継光のものは有名。


天游峰景区

標高400m。総面積4k㎡
雲海が果てしなく波打ち、蓬莱仙境に身をおくような感動を覚えることから、「天游」と名づけられた。
山頂にたたずむ一覧亭からは、武夷山の景勝をまるごと堪能できる。
雲窩は10余の洞穴からなる。
古来、文人墨客、能吏、隠者が隠遁したり、心を休ませた場所と伝えられる。
見ところ:

天游峰:

接筍峰:

茶洞:

仙浴潭:
天游峰山頂から流れ落ちる「雪花泉」が集まる池。


水簾洞景区

総面積17k㎡
巨大な洞穴「水簾洞」を中心とする景区で、碧石岩景区ともいわれる。
頂から流れ落ちる水流が簾のように見えるため、水簾洞の名がついた。
見どころ:

水簾洞

磐石岩
岩の上には寺院と精舎の跡があり、水仙茶の茶畑が広がる。

龍峰岩
龍の姿を想起させる群峰。

蓮花峰
松や竹の林に囲まれ、あたかも満開の蓮華のよう。たくさんの洞穴が空に向かって開口し、武夷山の「紅層地貌」(赤い岩からなる地形)を代表する「層面岩洞」の景観を形成している。

青獅岩
うずくまるライオンに似た岩

遇林亭窯址

蓮花峰
ふもとの3つの丘陵にある。
一帯は隣接する建陽市を中心に、宋代の八大窯系のひとつ「建窯系」を形成している。
主に生産していたのは、当時、盛んに行われていた闘茶 (風流人が茶葉の品質やいれ方の優劣を競った遊び)に使う黒釉盞(こくゆうさん)(碗)。沫茶を泡立てたときの白っぽい茶色が際立つということで珍重された。
天目の一種で、ウサギの毛筋のような粕紋が入った兎毫盞(日本では禾目天目)も大量に発掘されている。
ここでは、博物館や登窯が見学できるほか、陶芸も体験できる。


一線天景区

総面積17k㎡ 巨岩「霊岩」が斜めに傾き、3つの隣り合った洞穴「霊岩洞」「風洞」「伏義洞」を覆っている。
伏義洞の隣に位置する風洞は、冷たい風が岩の隙間から吹き込み、真夏でも鳥肌が立つほど涼しい。
見どころ:

一線天:
伏義洞の天井に、幅30cm、全長100mの奇妙な隙間が現出している。

虎嘯岩:
洞穴を通り抜けた風が、虎が囁いているように聞こえることからため、この名がついた。

兜蜂

語児泉
天成禅院の近くにあり、幼児の声に似た音を発する名泉とされる。濃厚で甘みのある水質で茶具を持参する人もいる。

凌霄峰


天心景区

総面積4.5k㎡
章堂澗に沿って西へ進むと、洞穴が目に人る。洞内には木楼「天車架」が建ち、梯子や欄干をめぐらせた姿は空中楼閣のようだ。19世紀、太平天国の乱を避けるために造営され、建材などを吊るし上げる仕掛けを「天車」といったため、この名がついた。
見どころ:

天車架

流香澗
天心岩の北麓にある渓流。

永楽禅寺(大紅袍茶樹)
武夷山に現存する最大規模の仏教寺院。
唐代の879年、扣冰古仏(こうひょうこぶつ)がここに庵を結び、悟りを開いたことに始まるとされる。宋代には朱熹がたびたび訪れ、問禅を行っている。最盛期の清代には「華胃(かちゅう)(漢民族)八名山」のひとつに数えられた。

武夷宮景区

総面積3.5k㎡
自然景観にも恵まれたエリア。
九曲渓河口の大王峰の下にある武夷宮は武夷山最古の道教寺院
見どころ:

武夷宮
歴代の皇帝たちが武夷山の神を祀った場所。宋代には六大道教寺院のひとつとなった。
いまは万年宮や三清殿などを残すのみ。

朱熹紀念館
武夷山は、江戸時代の日本にも多大な影響を及ぼした朱子学揺籃の地。創始者の朱熹(1130~1200)は71年の生涯の大半をここに暮らし、興賢書院などで学問の大成と門弟の教育に全霊を傾けた。九曲渓第5曲の隠屏峰ふもとには、彼が開いた学府、武夷精舎(紫陽書院)の址がある。
朱熹生誕860年の1990年に、武夷宮景区の万年宮を修復、紀念館が開設された。塑像や詩文とともに、南宋の大儒の事跡がわかりやすく展示されている。

傲宋古街
宋代の町並みを再現した街で、全長約300m。一端に石坊門が立ち、もう一端には宋代の建築を模した古い門楼が建つ。

大王峰
名勝旧跡が点在する山。「天柱峰」「仙壑王」 ともよばれ、特異な山容で知られる。

幔亭峰
武夷の君が幌(テント)を張って人々をもてなしたという

換骨岩


桃源郷景区

総面積5.5k㎡
九曲渓第六曲の北に位置する、
桃源洞は小桃源ともいわれ、竹と桃の林が群生している。
見どころ:

桃源洞

三仰峰
大仰、中仰、小仰からなる3つの峰。大仰は武夷山風景区の最高峰で、標高718m。頂上からは、武夷山の雄大な眺望がのぞめる。
 また、3つの岩が重なり合う三層蜂は「武夷山の気象台」 と称され、雲の美しい移ろいを観賞することができる。

三層峰

碧霄洞